フランスの大学に留学するためには、大学の「交換留学」しかない。と思っていませんか?
実はフランスの大学に「個人的に」応募することができるのです!!!それがDAPというシステムです。
DAPとは何か?また実際にDAPを利用してみて考えたことをまとめたいと思います。
DAPってどんなシステム?
DAP(ダップ)とは、Campus France(キャンパスフランス)を通してフランスの大学に1年間留学することができるシステムです。
Campus France(キャンパスフランス)というのは、世界中に支部のあるフランスへの留学を統率している機関のことで、フランスの学生ビザを申し込む際には全員Campus Franceの面接を受ける必要があります。
ちなみにCampus Franceは対応がイマイチなことで有名で、私もそれはもうたくさんお世話になりました。
しくじったら後が無い(出国9日前)面接日。 キャンパスフランス面接&ビザ申請、1日に全部やってきました。 持っていった書類は完璧でしたので最初にまとめておきます。それ以下は個人的な悲しみ文です。 […]
DAPには種類がある
DAPにはいくつか種類があります。
- 大学学部1年目 – DAP Blanche
- 大学学部2年目以上に留学 – Hors-DAP
- 建築大学への登録(すべての課程) – DAP Jaune
- すでにフランス(EU)にいる人 - Parcoursup
それぞれ登録方法に若干違いがあります。申し込み期限なども違います。
私が登録したのはフランスの大学1年生(L1)として留学するDAP Blancheという枠です。
登録の方法
超簡単に説明すると、
10月−11月 | 1. Campus France(キャンパスフランス)にオンラインで登録し、大学を選んで応募する |
2月頃まで | 2. 手続き料金の振込みを済ませ、Campus Franceの面接をする |
5月頃 | 3. 申請した大学からの結果を待つ |
6月以降 | 4. 大学からの入学許可が下りたら、ビザ申請を行う |
こんな感じです。
応募申請の要件
応募にあたり必要なのは以下の二点のみです
・大学学部1年目に応募するためには、BACつまり日本の高校卒業を証明する必要があります。
自分の通っていた高校に卒業証明書を申請し、オンライン上で提出します。場合によっては大学の入学証明が必要と言われることもあるかもしれません。
*DAP Jauneにて大学学部2年目以上に応募申請する場合は、建築分野での日本の大学での単位を履修していることを証明する必要があります。この場合大学の成績証明書の英訳などを提出します。
・応募する大学が要求するフランス語能力を証明する必要があります。
ほとんどの場合、語学試験DELF B2かDALF、TEF(スコアが400/699以上のもの)を取得、または文章作成の補足試験つきTCF DAP またはTCF SOのB2レベル以上の証明書が必要になります。大学によってはC1以上必要なところもあります。
えええB2かよ、なんだ無理じゃんと思いましたか?
実は私は語学資格を全く提出していないのにも関わらず受け入れ許可を得ることができました。
フランスというのは結構いい加減な国なので、大学さえ選べば語学資格に関しては証明ができなくても大学に行けます。私が行けているからです。ただB2くらいないと正直大学の授業は理解できない、いやB2あっても理解できないので、資格があるに越したことはないと思います。
DAPでかかる費用
キャンパスフランスの手続き料金(Études en france) |
20,800円 |
学生ビザ申請費 | 50ユーロ(6000円ー7000円) |
フランスの大学の学費 | 2〜30万円 |
キャンパスフランスの手続き料金として20,800円支払う必要がありますが、この料金は学生ビザを申請する際に全員支払うものなのでDAPに限った話ではありません。
フランスの学費に関しては、外国人は無料ではなく学士課程で年間 2,770ユーロ(約35万円)、修士・博士課程では年間 3,770ユーロ(約48万円)です。
しかし大学によっては外国人でも無料でいいよと言ってくれる大学が存在します。私の通っているボルドー大学がそうで、学士課程1年間で請求されたのは登録料約2万円だけでした。
なぜDAPを使おうと思ったのか
私がDAPを選んだ理由は以下の3つです。
・普通の語学学校に長期留学するのは気が進まなかった
語学学校よりも大学に行ってみたくて、金銭的にも私立の学校は厳しかったからです
・日本の大学の派遣留学の枠に合格しないだろうと思ったから
自分の大学の派遣留学にも応募していましたが、その保険として同時にDAPにも応募していました。結果派遣は落ちたのでよかったです。
・コロナで大学の派遣留学に受かったとしても行けるか分からなかったから
DAPはほぼコロナの影響を受けなかったので結果的によかったです。
DAPを実際に使って感じたこと
DAPを利用して感じたことを紹介します。
よかったこと
・安い
高くても年間30万前後でフランス語が学べるので、語学学校に行くよりも、さらに交換留学よりも安いです。
・交換留学よりも自由
日本の大学との交換留学で行く場合、単位を申請して単位を取得する必要があります。しかし個人的に大学に行くのであればいくら単位を落とそうが平気ですし、自分の興味のある授業だけに行くことができます。留学生向けフランス語の授業にたくさん参加したり、別の語学学校と並行して通ったりなど自分の好きなようにカスタマイズできるのが最高です。
悪かったこと
・手続きが難しい、手助けがない、全部自分でやらなくちゃいけないこと
これにつきます。履修の方法や授業の説明なども自分で調べなくてはなりません。サポートの手厚い大学に行ければ良いですが、自分から積極的にチェックしていないと大変かもしれません。
・語学力向上を目的としていくなら努力が必要
語学学校のように「フランス語」を学ぶための学校ではないので、自分から積極的にフランス語を使っていく必要があります。友達を作るのもただの語学学校よりも難しいと思います。しかしフランス人の知り合いは増えますし、フランス語や英語がペラペラな人しかいないのでモチベは上がりますがそれが辛いと感じることもありました。
DAP自体がなんともマイナーで、知る人ぞ知るシステムみたいになっちゃってますが、もっとみんな利用すればいいのになあと個人的には思っています。
DAPの詳しい登録方法は別の記事で紹介しようと思います。